伊勢皇太神宮のお札降下と「ええじゃないか」踊り
どんな伝承か
那賀郡桃山町安楽川では、二月二十八日の夜、伊勢皇太神宮のお札が大字で十軒くらいに降ったという。降札のあった家では祭壇をつくり、親類・知己・近所の者が幟や酒・米を供えに来て祝宴をはった。これを聞きつけた者たちが「ええじゃないか」と囃して踊り込み、家の主人は握り飯と酒肴を振舞っている。本書はこれを、紀ノ川上流地方の那賀郡の事例として、粉河や那賀町穴伏の降札とならべて挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ええじゃないか(高木俊輔・1970年代~1980年代(推定))
本書は幕末維新期の慶応3~4年(1867~1868年)に東海地方から四国地方にかけて流行した「ええじゃないか」という民衆運動を詳細に記録した研究書である。神社仏閣の札が降下する「お札降り」現象を契機として、老若男女が「ええじゃないか」と囃しながら踊り狂い、祝宴を催す集団心理現象が急速に波及した。