現在知られる最古のお札降りの例
どんな伝承か
お札降りとええじゃないかの初出として現在知られているのは、慶応三年七月十四日、三河国渥美郡の吉田宿に近い牟呂村の例である。天から伊勢皇太神宮や秋葉山大権現などの札や祓が降ったとされると、降札のあった家ではこれを吉兆として喜び、隣人知人に言い広め、祝いに来た者へ酒肴を振る舞った。休みをもらった奉公人や日雇いが家々を回って酔い、にわかに祭りの気配となる。牟呂村に続いて草間村・野田新田・萱町でも起こっており、この騒ぎの発端は東海道吉田宿とその周辺であったように見える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
松本市史 第2巻 歴史編2(松本市史・20世紀(地方史編纂))
本書は松本市史の一部として、慶応三年(1867年)に三河国で発生した「お札降り」現象が信州地方へ伝播した社会現象を詳細に記録している。天から降下する札を祝う「ええじゃないか」の騒動は、豊作祈願と世直しへの期待を背景に、仮装・変装した村民・町民による祝祭的な大騒動へと発展した。松本藩など地域の藩は「西洋流の業」として禁令を発令し鎮静化を図ったが、周辺地域では数日間の賑わいが継続した。