大池の山道で浮かび消えた女
どんな伝承か
昭和五二年の四月はじめ、貴志川町に住むBという人の身に起きた出来事。深夜、和歌山市内からタクシーを飛ばして帰る途中、大池のそばの山道で、ヘッドライトの光が女をひとり照らし出した。急ブレーキをかけ、車はすれすれのところで止まった。女は気を失ったのか、倒れたまま動かない。助け起こそうと運転席の扉に手をかけたそのとき、女はふいに立ち上がり、そのまま宙へ浮きあがってふっと消えてしまった。和田寛が「民話と文学」に書いている。
原典より
喫茶店で友人と哲学堂の前の電話ボックスであった不思議な事件(電話ボックスの中に二人の男がはいって電話をかけていた。—— 現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。