この村では札ではなく人間が天から降ったと語られ
どんな伝承か
慶応三年、信濃各地でお札降りが相次ぐなか、上伊那の長岡村(現箕輪町)では札ではなく人間が降ったという。村役人をはじめ晴れ着姿の老若男女が連れ立って神社に参詣し、そののち降下したとされる人物を殿様に仕立てて行列を組んだ。酒食の振る舞いがなされ、村はたいそうにぎわったと伝わる。近隣の木下村では十月二十八日から降札がはじまって四五種類二三四枚を数え、南小河内村では大名行列と太々神楽の組み山車をつくって三日間練り歩くなど、箕輪一帯は降札の騒ぎがことに盛んな地域であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
松本市史 第2巻 歴史編2(松本市史・20世紀(地方史編纂))
本書は松本市史の一部として、慶応三年(1867年)に三河国で発生した「お札降り」現象が信州地方へ伝播した社会現象を詳細に記録している。天から降下する札を祝う「ええじゃないか」の騒動は、豊作祈願と世直しへの期待を背景に、仮装・変装した村民・町民による祝祭的な大騒動へと発展した。松本藩など地域の藩は「西洋流の業」として禁令を発令し鎮静化を図ったが、周辺地域では数日間の賑わいが継続した。