座敷牢のある賢見神社の犬神落とし
どんな伝承か
三好市山城町の寺野は、標高三、四百メートルの尾根近くに開けた山村で、その村はずれに賢見神社がある。犬神落としに霊験があるとして、北海道や九州からも祈禱を受けに来る人が絶えない。土地の古老は、子どものころ帰りがけに祈禱の様子をのぞくと、畳から五十センチも飛び上がる人がいて驚いたと語り、暴れたり叫んだりする者のために座敷牢がいくつもあると言い添えた。『徳島県の地名』によれば、寺で行う祈禱では病者に御幣を持たせて祭壇の前に座らせ、決めた回数の護摩を焚く。満願の日に体が激しく動いて昏睡し、目覚めて常態に戻れば犬神が抜けたとされる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)