警察部長も解けぬ犬神憑き
どんな伝承か
四国は犬神の本拠とされるが、なかでも徳島県はその色の濃い土地だという。名東郡の佐多河内村では、犬神に憑かれた、あるいは食いつかれたと訴える例が数えきれないほど起こり、暮らしのなかに深く食い込んでいた。なかには騒ぎが大きくなりすぎて徳島の警察部長までが乗り出した一件もあったが、それでも決着はつかなかったと伝えられる。犬神をめぐる争いが、役所の手にあまるほど根深いものであったことを示す例である。『阿波民俗』六号の報告による。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・石塚尊俊・民俗学・昭和(民俗調査))
民俗学者・石塚尊俊『日本の憑きもの―俗信は今も生きている』。日本各地の憑きもの俗信を実地調査と文献で体系化した研究の決定版。