床下でコロコロを養う犬神使いの婆
どんな伝承か
大分県速見郡の豊岡町にあったH家は、農業のかたわら石工を営みながら、イヌガミモチと呼ばれていた。代々病者を出し、いまは子孫が絶えているという。犬神使いと言われた先代の老婆は、集落の西を流れる川の橋の下に棲んでいたイヌガミを拾って帰り、床下で養っていた。よその者の目には映らないが、白と黒のまだらでイタチに似た姿をしており、宙を踏んで歩くので足音がしない。老婆はコロコロと呼んでかわいがり、床下に数えきれぬほど飼っていた。増えすぎると飼い主まで食い殺すので、時には間引くのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの(吉田禎吾・民俗・憑きもの研究・昭和)