御降りに關する遺物
どんな伝承か
「ええぢゃないか」の当時に天降ったとされる大黒天像・御剣・金輪の三品について記す。大黒天像は徳島市籃屋町西側の井川源三の家に降った土製の小像で、著者が所蔵する。剣は名東郡加茂名町庄の淺野伊勢助の家に大きな音響とともに降った刀身二尺八寸のもので、女中に憑いた犬神が御剣の前で怖じて去ったという霊験談が伝わる。金輪は板野郡鳴門村高島の岩村利五郎の家に降った真鍮の輪で、屋根の上でドゥンと音がするので御降りと分かった、人が抛り上げたものではないと岩村は語ったという。
原典より
次に掲げた大黒天像、御剣、金輪の三品は、何れも「え、ぢやないか」の當時天降つたもので、御祓もしくは御守などと同様に有難くも忝き御降りとして、人々に深く尊崇せられたのである。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末))
概観篇では御降り(御札降り)に関する騒擾、伊勢神宮への御蔭参り・抜参りを慶安・宝永・明和・文政・慶應と時代別にたどり、慶應のええじゃないか、阿波のええじゃないかへと展開。幕末阿波(徳島)の御札降り・群集乱舞・世直し的民衆運動を、各事例の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで網羅した民俗・世相史。