屋根の才一郎を梯子で下ろせなかったが
どんな伝承か
慶応三年十月九日、沢井才一郎は夢で「東の土蔵の屋根に登れ」と告げられ、名古屋伊勢町の修験・繁昌院に願い出たのち、屋根に登って秋葉山大権現の御札石を見つけて持ち帰った。十三日の夜、才一郎は突然行方知れずとなり、家の者たちが竹に灯をともして探すと、庭に立てた竹の梯子を掛けてもなかなか下ろせなかったが、六十四歳の芙山老禅師がするすると登ると、才一郎はやすやすと抱かれて神前まで下ろされたという。禅師自身、神の力添えだったに違いないと語り、居合わせた者は皆恐れをなした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)