洋犬ペスの診断論争
どんな伝承か
喜三郎は従兄に井上という獣医がいたので、亀岡から二〇キロ西の園部の井上の家へ書生として住み込み、獣医学の手ほどきを受け牧畜も学んだ。牧場の隣りの禅寺の和尚が飼う洋犬ペスが、あるときから前足をひきずり苦しそうな息づかいを示すようになる。喜三郎が病名を問うと、井上は聴診器や検温器まで持ち出し、聴診、望診、打診と行なったすえ『この犬は関節リウマチスだ』と診断した。だが『家畜医範』十六冊五千ページを書き写して暗記していた喜三郎は、症状を鋭く観察して胸部の異状と判じ『心臓糸状虫の結果だ』と異論を唱えた。井上は腹を立て、もしそうなら獣医をやめてもよいと言いきった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
亀岡の大予言者――東洋の巨人・出口王仁三郎の世界(加藤正民・たま出版・心霊/予言・現代(評論)/明治〜昭和(対象))
加藤正民が「天下の浪士」の立場から、出口王仁三郎(1871-1948)を心霊的視座で描く評論。明治25年の出口ナオの神がかり(艮の金神・三千世界一度に開く梅の花)、水行の奇蹟、無筆のナオの自動書記、日清・日露戦争予言の具体的中を起点に、国祖隠退の大本神話と、ナオ(A)と王仁三郎(B)に具現した二大霊流・「火水の戦い」を論じる。