万蔵家の生霊憑きと縁切り
どんな伝承か
万蔵の訴状によれば、西国行脚から二、三年たった頃、姉のヨシが原因不明の病にかかった。父の利平太が美田村の大山明前寺という尋ね上手の寺へ行って祈禱を頼むと、女との約束を破られた男の生霊のためだといわれた。いろいろ祈念してもらってもなかなか治らず、別府村の神主三人に祈禱をしてもらってようやく平癒した。その後は万蔵の女房が患い、流人坊主の観三に祈禱を頼むと、死霊の怨みだから小祠を建てて若宮を祀れという。祀ったところ、今度はその小祠のせいだと評判が立った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・石塚尊俊・民俗学・昭和(民俗調査))
民俗学者・石塚尊俊『日本の憑きもの―俗信は今も生きている』。日本各地の憑きもの俗信を実地調査と文献で体系化した研究の決定版。