枕上に馬で現れた小鬼
どんな伝承か
今は昔、ある人が方違えのため下京あたりの所へ行ったが、幼い児を連れており、その家にもとから霊がいることを知らずに皆で寝てしまった。児の枕上には火を近く燃やし、傍らに人が二、三人臥していた。夜半ばかり、乳母が目をさますと、塗籠の戸が細目に開き、そこから長さ五寸ばかりの男が日の装束をして馬に乗り、十人ばかり連なって枕の上を渡って行った。乳母は恐ろしく思いながら打蒔の米を多く掻きつかんで投げつけると、さっと散って消え、夜が明けてその米には血がついていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。