阿用郷の一目鬼
どんな伝承か
出雲風土記には、一目の鬼が現れて人を捕えて食べたという話が載っている。阿用郷は郡の東南一十三里八十歩にあり、古老の伝えによれば、昔ある人がこの処の山田を作って守っていた。そのとき一目の鬼が来て、その男を食った。男の父母は竹原の中に隠れていて、その時、竹の葉が動いた。食われている男は動々(あよあよ)と言った。それゆえこの地を阿欲というのだと伝える。鬼が人を捕えて食うという古い記録の一つであり、同時に地名の由来を語る条でもある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。