叔母の縁談と家筋忌避
どんな伝承か
著者がまだ中学に入る前のこと。婚期の遅れた叔母が分家することになり、あちこち婿を探したが思わしくなかった。ある日、仲人役の分家のおじが両親と話し込み、「たてひき(家筋)を言われるので婿が見つからない」ともらした。相手方も狐持ち一派に相違ないのに自らを白米(狐持ちでない家)だと言い張り、狐持ちの家に娘はやれないと拒んだという。子供心にも、自分の家が狐持ちとされているために叔母に縁がないのだと知り、著者は驚いた。叔母は結局、狐持ちといわれる家から婿を迎えて分家した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
つきもの持ち迷信の歴史的考察――狐持ちの家に生れて(速水保孝・速水保孝・憑きもの研究・昭和(1953頃))
速水保孝『つきもの持ち迷信の歴史的考察―狐持ちの家に生れて』(柳田國男序)。自ら狐持ちの家に生まれた著者が、つきもの持ち迷信による差別・人権侵害を内側から告発し、その類別と歴史的背景を考察する。