狐持ちと財産の関係
どんな伝承か
石州安濃郡の某村では、狐持ちの家はかなりの財産をもつ者ばかりで、もとは貧乏だったのが急に財産家になったのだという。その家に狐が憑くと資産家になるという言い伝えがあるのだ。ただし資産家になっても、筋のために婚姻を結ぶことはできない。狐持ちが狐を捨てようと思えば、家の財産をすべて売り払って金に代え、その金を少しも使わず、そっくり人通りの多い往来に捨てておくと、家の狐は皆その金について逃げてしまう。その代わり、その金を拾った者の家が狐持ちになり、たちまち財産家になるという。つまり狐は家に憑くのではなく、その家の財産に憑くらしい。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集