土蔵で機を織る音
どんな伝承か
上郷村(遠野)字中沢の菊池鳥蔵という家では、四、五年ほど前から土蔵の中で、何ものかが機を織る音をさせるという。鳴るのはきまって夕方から初夜にかけての刻限であった。この家に奉公していた同じ村の善能寺の菊池某という若者は、その音なら先日も夕方からしきりに鳴っていた、なんでもない、ザシキワラシだよ、と事もなげに言ったそうである。佐々木喜善が書き留めた遠野の話で、機を織るところからこのワラシは女だろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集