大鯰と要石が起こす地震の伝え
どんな伝承か
地震は地中の大鯰が動くために起こり、鹿島の要石がその頭を押さえているという。だが鹿島の古記録をたどると地震はたびたび起きており、そのつど神官が異変の前触れではないかと幕府へ届け出ていた。似た言い伝えは各地にあり、アイヌは海の底の巨魚が動くせいだとし、その魚が潮を呑めば引き潮、吐けば満ち潮になると語る。台湾では大鯉や牛豚、蒙古では蝦蟇、北米では大亀、印度では角に大地を載せた牛が蠅を追って身じろぎするからだと説く。鯰が地震の前に騒ぐのは土地の変動を感じるためで、騒ぐから揺れるのではないと著者は記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。