行灯の油をなめる赤子
どんな伝承か
落語「もう半分」の筋である。もと深川八幡前で八百屋を張っていた老人が酒に身を持ち崩し、娘が吉原へ身を売ってこしらえた五十両を居酒屋に置き忘れる。取りに戻ると夫婦は知らぬ存ぜぬで押し通し、老人を表へ突き出して心張り棒を掛けた。老人は娘に詫びながら永代橋から身を投げる。五十両を元手に店は栄え、女房は女の子を産んだが、その顔は身投げした老人に生き写しで、生まれたてなのに歯が生えていた。女房は血が上って死に、赤子は夜ごと行灯の油をなめては「もう半分」と手を出した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集