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多武峯に世を捨てた増賀の佯狂

所在地奈良県桜井市大字多武峰
年代平安時代
登場増賀上人、源信、増賀を慕った僧
出典日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史

どんな伝承か

源信と同じ時代を生き、その先輩にあたる僧に増賀がいた。多武峯の聖と呼ばれ、名誉も利益もことごとく退けて世を捨てていた人である。その振る舞いは常識の枠を大きく外れており、身分の上下を問わず恰好の話題になっていた。『今昔物語』巻第十二は増賀が狂気を装った有様を伝えており、人間であること自体から必死に抜け出そうとするかのような、異様な生彩を放っていると評される。源信はこの増賀の後を慕ったといわれるが、著者は両者を全く異質の人間だと見ている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本人の霊魂観――鎮魂と禁欲の精神史(山折哲雄・山折哲雄・宗教学・昭和(1976))

宗教学者・山折哲雄『日本人の霊魂観―鎮魂と禁欲の精神史』(1976年)。日本人の霊魂観念を、遊離魂・天皇霊・憑霊・鎮魂という主題で歴史的・象徴論的に考察する。序章で問題と方向を示し、第一章『遊離魂と殯』では『日本霊異記』にあらわれた霊肉の課題(魂が一日に千里をゆく遊離魂と、死者を仮安置する殯)を論じる。第二章『天皇霊と呪師』では玉躰加持の象徴儀礼を、霊魂は肉体の形相(封蠟と印型)とするアリストテレス的議論を引きつつ分析する。

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