降りたはずの隣駅がまた泉岳寺
どんな伝承か
地下鉄のホームは近ごろ明るくなったが、ひと昔前は薄暗くて不気味な感じがしたという。その泉岳寺の駅で妙なことが起こると、数年前から言われている。ホームに電車が入ってくるので乗り込み、隣の高輪台の駅で降りる。ところが降り立ったその駅が、いま出てきたはずの泉岳寺の駅だというのである。まるで狐に化かされたような話だと紹介者は書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考5-東京妖異所の系譜(西郊民俗・不明)
本書は東京都内に点在する怪異現象を民俗学的に記録した論文である。渋谷の道祖神、台東区の狸の狛犬、泉岳寺駅の地下鉄異変など、7つの具体的な怪異事例を取り上げている。いずれも実在する地名・施設に関連した報告であり、江戸時代から近年まで長期にわたって伝承されている。本所七不思議との関連性も示唆され、東京における狐・狸などの妖怪による幻惑、呪いや祟りによる人的被害、廃墟や地下空間といった異界的空間での現象が主要テーマである。