墓地で睨み合った男の霊
どんな伝承か
丑満時の青山墓地を歩き回っていた著者と連れの女性歌手は、次の区画へ入ろうとした瞬間、足が根を張ったように動かなくなった。三メートルほど先の闇に黒い人影が立ち、二人をまっすぐ見据えている。目を逸らせば憑依されると直感し、著者は睨み合いを続けた。どれほど経ったのか、影は左手の墓地の方へふわりと飛ぶように消え、同時に体の強張りが解けた。連れの女性もまったく同じ感覚を味わっていたという。縁もゆかりもない墓地へ興味本位で入るものではない、と著者は戒めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ここまでわかった霊界の真相(つのだじろう・平成5年(1993年)8月)
漫画家で心霊研究家のつのだじろうが、霊能者の指導のもとに体験・取材した心霊現象を解説する書。主護霊・指導霊との交信や幽体離脱、魔女狩りの娘や戦国武士など前世の因縁による憑依と霊障、青山墓地の黒い影、テレビ収録中の狐憑きなどを、霊界の構造や守護霊の体系とともに記録し、欧米の心霊科学に比した日本の心霊研究の遅れにも言及する。