土蔵と井戸で自殺した前家主
どんな伝承か
小山内薫が高輪の家を出た後に聞いた話。この家はある大きな質屋が持っていたが、主人が株か何かに手を出して失敗し、担保流れで銀行に取られてしまった。実際、小山内が住んでいた時分の家主も銀行で、毎月銀行へ家賃を払いに行っていた。前の主人は絶望のあまり土蔵の中で首を絞めたが死にきれず、庭の井戸へ身を投げてしまったのだという。言われてみれば、庭には注連縄を張った石の井戸があった。小山内は以来、知らない家に入るのが恐くなり、殊に土蔵と井戸を恐れ、土地そのものに怨霊のつく所があるように思うと書いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
あの世はあった―文豪たちは見た、ふるえた(三浦正雄・昭和50年代(1975年前後推定))
文豪たちの心霊体験(あの世はあった)/遠藤周作・三浦朱門の怪異/海外(フランス)での幽霊/怪音と怨念/あの世は存在するか