窓に身をすり付けていた大狐
どんな伝承か
遠野の土淵村田尻に、厚楽という家があった。主人が亡くなったあと、毎晩のように女房の寝間の外へその夫が現れ、「お前をこの世に残していては成仏できない、一緒に来い」と呼びかけるようになった。家の者は不審に思い、ある晩そっと裏手へまわってみた。すると大きな狐が一匹、窓にぴたりと身を押し当てて中をうかがっている。背後から忍び寄って不意に斧で打ち殺したところ、その夜を境に亡者が訪ねてくることはなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談集 幽霊篇(今野圓輔・今野圓輔・日本怪談集・昭和(怪談集成))
日本各地の幽霊・人魂・生霊の実話怪談を十章+幽霊外伝に分類して集成する。