後足で歩く猫のいる赤堤の廃屋
どんな伝承か
小田急線の経堂の駅で降り、かなりの道のりを歩いた先の赤堤二丁目に、住む人のいない荒れた屋敷がある。あたりは木々に覆われ、草が高々と伸びるにまかせてある。その家はいまでは猫たちの住処になっており、数はよほどのものらしい。部屋数の多い屋敷の中に、猫がうようよと住みついているのだという。中には、後ろ足で立って歩く巨大な猫を見たという者もいると紹介者は書き留めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考5-東京妖異所の系譜(西郊民俗・不明)
本書は東京都内に点在する怪異現象を民俗学的に記録した論文である。渋谷の道祖神、台東区の狸の狛犬、泉岳寺駅の地下鉄異変など、7つの具体的な怪異事例を取り上げている。いずれも実在する地名・施設に関連した報告であり、江戸時代から近年まで長期にわたって伝承されている。本所七不思議との関連性も示唆され、東京における狐・狸などの妖怪による幻惑、呪いや祟りによる人的被害、廃墟や地下空間といった異界的空間での現象が主要テーマである。