羽団扇を借りた寅吉の空中大失敗
どんな伝承か
宮地堅磐の『異境備忘録』に、仙童寅吉の後日譚が載る。明治十五年、天狗界の首領杉山僧正は堅磐を岩間山の自宅へ招こうと思い立ち、寅吉を使者として常陸の岩間山から土佐の潮江村へ派遣した。寅吉は師匠愛用の貴重な羽団扇を借りて意気揚々と土佐へ向かい、潮江村へ無事着陸して堅磐を伴い家を出た。ところが羽団扇を振って空中へ舞い上がる途端、団扇に付いた望遠鏡で岩間山の位置を測り誤り、二人は信州の妙義山寄りの天狗の棲処へ不時着してしまった。そこにいた十七天狗はその羽団扇を取り上げ、どうしても返さなかったという。
原典より
平田篤胤は、仙童寅吉の仲介によって、杉山僧正と顕幽境を異にして交渉をしたことは前章でちょっと言及した。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)