三井寺の鐘
どんな伝承か
園部町を一望する眺望の良い山が鐘撞山である。昔、この地に仙之助という美青年の百姓が老母と暮らしていた。ある夜、若い娘が宿を求めて訪れ、母子は住むことを許した。娘がよく働くので母親は二人を結婚させ、やがて子供が生まれ、老母は世を去った。ある日、仙之助が野良仕事から帰り障子のすき間からのぞくと、娘は蛇になっていた。娘は、自分は山の雌蛇で仙之助の妻になりたくて女に化けた、正体を見られたので山へ帰るという。ただ住んでいた岩穴の入口がこわされると夜昼がわからなくなるので、時刻がわかるよう山で朝夕鐘をついてほしいと願った。以来、子を背負って鐘をつく仙之助の姿が見られ、園部の人はこの山を鐘撞山とよぶようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。