三井寺の鐘
どんな伝承か
一人暮らしの爺の家に、夕方、綺麗な女子が泊めてくれとやってきた。翌朝、女子は八畳の間を貸してほしい、一時間ほど覗かずにそっとしておいてくれと頼む。爺が覗くと大蛇が座敷いっぱいに輪になっていたので、蛇の嫌う煙草の煙で満たした。女子は姿を戻して覗かれたことをなじり、ここで子を育てられなくなったから面倒を見てほしいと言い、目玉をひとつ取って乳の代わりにねぶらせよ、無くなって子が泣いたら三井寺で三回鐘を打て、私は湖水の主だと告げて去った。爺が子を連れて鐘をつくと女は現れて礼を言い、もう一つの目も渡していったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。