攝州堀江の網に怪物がかかる
どんな伝承か
人魚の出現の記録として最も古いのは推古天皇二十七年である。その年の夏四月に近江国蒲生河に人のような形のものが現れ、人々はこれを福瑞のものとした。同じ年の秋七月には摂州堀江で網に大きなものがかかった。その形は人のようでありながら人でもなく魚でもなく、人々はどうしてもその名を知ることができなかったという。『日本紀』『和漢三才図会』が記す一条で、以後も出羽・津軽・若狭など各地の海辺に人魚が流れ寄ったという記録が続いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。