大歳の火
どんな伝承か
昔は囲炉裏の火を絶やしてはいけないといい、火種を入れておいた。ある年の大晦日、嫁が火を絶やしてしまった。姑に叱られると困り果てて外へ出ると、森の入口にちろちろと火が見える。走って行くと、男が棺桶の横に立っていた。火をくれと頼むと、男は火をやる代わりにこの棺桶を預かれと言う。嫁は迷った末、火をもらい、棺桶を納屋の隅に置いた。正月は無事に火が灯った。三日たって納屋へ行くと、棺桶を置いた隅から明るい光が射している。開けてみると金が一杯詰まっており、全部お前にやるという意味の紙が入っていた。嫁の一家は大変な金持ちになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書・自治体史(民俗))
香川県(讃岐)の昔話と伝説を網羅する。第一章昔話は、炭焼長者・天道さん金の鎖・狐女房・大歳の火・産神問答(虻にのみ/滝の宮のヨサの宮さん)・親棄山・童子丸・弘法機・継子話・お大師さんとぼた餅・物言う亀・米倉法師・猫又・こぶ取り爺・屁こき爺・蛇聟入・かにの報恩・浦島太郎・竜宮童子・肉付面・子育て幽霊・鷲の育て子・亀の聟入など五十九話を語り手付きで収める。