親棄山
どんな伝承か
年を取ると年寄りを捨てる習わしがあった。ある時、水戸黄門が助さん角さんに自分を担いで捨てに行けと言う。二人は承知しなかったが、押し切られて山へ担いで行った。途中で下ろすと、そこでは子供が親を籠に入れて担いで行き、背負われた親は道に迷わぬようにと木の枝を折りながら進んでいた。子は親を置いて泣き別れたが、折られた枝を辿って戻り、夜になって黙って親を連れ帰り、座板の下に隠して食べ物を運んだ。殿から、曲がった木の株の穴に糸を通せ、打たぬのに鳴る太鼓を作れという難題が出たとき、隠れた母は蟻に糸を結んで砂糖で誘う法、竹の輪に紙を張って蜂を入れる法を授けた。事情を知った殿は、年寄りは国の宝だとして姥捨てを廃したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書・自治体史(民俗))
香川県(讃岐)の昔話と伝説を網羅する。第一章昔話は、炭焼長者・天道さん金の鎖・狐女房・大歳の火・産神問答(虻にのみ/滝の宮のヨサの宮さん)・親棄山・童子丸・弘法機・継子話・お大師さんとぼた餅・物言う亀・米倉法師・猫又・こぶ取り爺・屁こき爺・蛇聟入・かにの報恩・浦島太郎・竜宮童子・肉付面・子育て幽霊・鷲の育て子・亀の聟入など五十九話を語り手付きで収める。