姥捨て
どんな伝承か
昔は婆さんが六十にもなると、大根摘みに行くと言って山へ捨てに行ったのだという。だがこの村ではないけれども親孝行な人があって、一人息子で、婆さんを六十で背負って捨ててくることを悔やんでいた。そのころ谷村の代官から、焼いた縄が崩れないでいるにはどういう法があるか出してみよという触れが回る。息子が婆さんに相談すると、婆さんは「塩水の中に縄を入れて、それを乾かして焼けばそのままで崩れない」と教えた。デェーコウネ(杓子山御犬沢峠、大根尾根)という所があり、そこで大根をつくって年寄りは大根を食って生きていた、そういう所がありますよ、と話者は語る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 上――昔話・伝説・怪異(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告・民俗調査報告)
『向原の民俗 上(民俗調査報告第9号・第10号)』第IX章口承文芸所収の昔話・伝説・怪異。山梨県南都留郡の向原・明見地区に伝わる口承を採録する。