弘法水・大師芋
どんな伝承か
婆さんが川でじゃが薯の小さいのを洗っていると、弘法大師がそれを一つくれないか二つくれないかと言った。婆さんは小さすぎて差し上げられませんという意味で「くえねぇべ」と答えたのだが、弘法大師はそれを「石芋で食べられませんよ」と受け取り、芋を石にしてしまったという。あとで婆さんが事情を話したところ、また行ってしまう時に「そういうわけなら食えるようにしてやる」と言ったという。また、弘法大師が杖をつくととたんに水が湧いた、というような話も聞いたことがあると別の話者は語る。いずれも向原に伝わる弘法大師の伝説である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 上――昔話・伝説・怪異(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告・民俗調査報告)
『向原の民俗 上(民俗調査報告第9号・第10号)』第IX章口承文芸所収の昔話・伝説・怪異。山梨県南都留郡の向原・明見地区に伝わる口承を採録する。