伊勢参りの土産
どんな伝承か
そこは鏡を知らない土地であった。婿が伊勢参りに出かけ、珍しさに鏡を買って帰り、押入れのどこかに隠しておいた。婿がいつも覗きに行くので、嫁は不審に思い、探してみると押入れに鏡が入っていた。取り出して覗くと自分の顔が映るが、それが自分だとは知らず、伊勢参りで女を買って来て隠していると思い込み、別れる別れないの大喧嘩になった。そこへ尼が仲裁に入り、どんなものかと鏡を手に取って見て、まあ可哀想に、女も尼になって泣いているではないかと言ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書・自治体史(民俗))
香川県(讃岐)の昔話と伝説を網羅する。第一章昔話は、炭焼長者・天道さん金の鎖・狐女房・大歳の火・産神問答(虻にのみ/滝の宮のヨサの宮さん)・親棄山・童子丸・弘法機・継子話・お大師さんとぼた餅・物言う亀・米倉法師・猫又・こぶ取り爺・屁こき爺・蛇聟入・かにの報恩・浦島太郎・竜宮童子・肉付面・子育て幽霊・鷲の育て子・亀の聟入など五十九話を語り手付きで収める。