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斷髪して踊つた話

所在地徳島県鳴門市大麻町板東
年代幕末
登場民衆、記録者
出典阿波えゝぢやないか

どんな伝承か

伊勢参りの銭を父にねだった娘の磯は、節季の忙しさと家の貧しさを理由に断られる。近所の者は皆行ったのにと訴えても取り合ってもらえず、行かせぬなら踊るまでと心を決め、惜しげもなく黒髪を切って角力取髷に結い上げた。女ゆえ締込は作れず、白い湯巻一つに脇差を差し、父の知らぬ間に家を抜け出した。気づいた父が脱ぎ捨てられた着物を鷲づかみにして舌打ちしたころ、磯は撫養の林崎をさして一散に走っていたという。

原典より

「父つあん、伊勢参りするけん、百文呉れんで?」 「…………」「なあちうのに・・・・・・」「阿呆いへ、此の節季の忙しいのに、銭のたしない時分に何をいふ。—— 阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

阿波えゝぢやないか(山口吉一・民俗・幕末世相史・昭和(対象は幕末))

概観篇では御降り(御札降り)に関する騒擾、伊勢神宮への御蔭参り・抜参りを慶安・宝永・明和・文政・慶應と時代別にたどり、慶應のええじゃないか、阿波のええじゃないかへと展開。幕末阿波(徳島)の御札降り・群集乱舞・世直し的民衆運動を、各事例の冒頭に【日付】【場所】【人物】【状況】マーカー付きで網羅した民俗・世相史。

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