甘酒屋横丁で泡を吐く青年
どんな伝承か
昭和の初め、著者は内務大臣となった安達を人形町のダンスホールへ密かに案内した。その帰り、甘酒屋横丁の角で自動車に乗ろうとすると、勤め人ふうの若い男が二人、互いに抱き合うようにして路上に転がっている。懐中電灯を向けると、口から石油のような色の泡を噴き、ひどく苦しんでいた。当時は知覚が麻痺するような粗悪な酒が出回っており、著者は大臣夫妻に、こうした者は保護検束で留置場に転がされるだけで、十日ほど前にも心臓麻痺で死んだ例があると告げた。ほどなく各警察へ酒類一斉検査の厳命が下った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化