二銭で覗いた地獄極楽のからくり
どんな伝承か
著者が子どものころ、靖国神社の祭礼には地獄極楽のぞきからくりという見世物が出ていた。テント張りの小屋で呼び込みが節をつけて客を招き、覗き眼鏡をのぞくと素朴な機械人形が不思議な世界を演じてみせる。見料はわずか二銭だった。いまの子どもなら吹き出してしまう代物だが、当時の子どもたちはそれで地獄を思い描き、情操の教育にもなったという。正塚の婆、閻魔、青鬼赤鬼、針の山に血の池地獄。死ねばこんな所へ行くのかと思うと落ち着かず、賽の河原で石を積む子どもたちの姿が悲しくてならなかったと著者は振り返る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化