昭和四年の話
どんな伝承か
昭和二年五月、小山の善光寺境内から発掘された小さな地蔵尊を、拝受した者が翌昭和三年五月に自宅へ勧請した。ところが昭和四年、その人はたまたま重い病にかかり、既に死期が近づいていた。すると夢の中にこの地蔵尊が諸仏とともに現れて来迎したが、「未だ娑婆の縁尽きず」と告げて去っていった。夢から覚めると病はたちまち平癒したという。この霊験を記した碑文は、西国三十三所観音霊場第五番札所・葛井寺の西門を入った左側の墓地に建立されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。