野原みたいなとこ、どんどんどんどん向こうへ行く人あっ
どんな伝承か
野原のようなところを、どこまでもどんどん向こうへ歩いていってしまう人があったという。声はするけれども姿は見えず、人がトヤトヤとしゃべる音ばかりが聞こえて、気がつけば自分ひとりきり、果てしなく広い野原に立っている。そこへ寺の僧や地蔵が現れ、「おまえがこんなところへ来る所ではないから、帰れ帰れ」と言われたという。一方こちらの世では、誰かがその者の名を一所懸命に呼んでいる。その声にはっと気がついて、戻ってくるのだと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。