二十一年の年だよの
どんな伝承か
新潟県古志郡山古志村の話。二十一年の年に発疹チフスと栄養失調にかかった。満州のエンタクという所にいて、そこで病気になった。そばにいた男は小隊長で、自分は分隊長でしかなかった。『おまえ今死んだがだ』『とうとう死んでしもうた』と言われたという。退院してから語るには、顔を洗いに行くと、人間ではあるが人間でない、大勢の地蔵様のようなものがいるところに出た。どうも暗くてそこでは生活できない、俺は文明の社会にいるのだからこんな暗い所では何にもならない、帰らなければならないと思って、川の一歩手前まで行き、そこへは行かずに戻った。夢のうちにも分かったといい、周囲は三途の川を渡ればだめだと冗談を言い合った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。