昭和二年、益田農村学校二年在学中に病気をし、四十度七
どんな伝承か
島根県隠岐郡都万村の話。昭和二年、益田農村学校二年に在学中に病気をし、四十度七分という高熱が出た。医者は来ず、洗面器の水を飲むほどの渇きに悩まされ、三日目に入院した。精神状態が朦朧とし、あたりのものがだんだん小さくなって遠く離れていき、真っ暗闇のところへ一気に入っていった。ひとときして再び明るいところに出ると、その辺一帯は河原で、足元には二つや三つ四つ五つの子どもが手に手に石を持って積んで遊んでいた。川向こうの大きな御殿のような建物の奥から行列が出て、菓子を持って自分を手招きしている。御殿に入りたい一心で舟や橋を捜したが見つからず、遠くから呼び返す声が聞こえて帰って来た。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。