矢留の荒神
どんな伝承か
昔、京都の鴨川のほとりに御殿を持つ若く美しい別雷の神が、荒れた土地をりっぱな村にしようと思い立ち、弓を引いて占い、矢の届いた所へ行くことにした。葵の葉を一株、目印として矢の先に結び大空へ射ると、矢の通った跡は白く虹のように残った。神はそれを目当てに若狭湾へ着き、さらに船で隠岐の加茂湾まで来ると、矢がささっていた。的の前という所がそこである。神は住民に機織り、釣り、造船、薬、農業を教え、村一番の美しい楓姫をめとってさらに村造りに励んだ。当時十六軒あったので今も加茂の十六戸と称し、神は加茂那備神社に鎮まっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。