花見潟に立つ河原の地蔵さん
どんな伝承か
琴浦町赤碕の海辺には、数えきれぬほどの墓石が浜に沿って立ち並ぶ場所がある。地区の名をとって花見潟墓地と呼ばれてきた。その一隅、赤碕塔の近くには、高さ三・四メートルもある石の地蔵尊が立ち、土地では河原の地蔵さんと呼ばれている。宝暦十二年の建立で、人夫五百人、賃銀三十貫、日数五百日を費やしたと記録に残る。これほどの石造物が営まれたのは、この浜がもともと何らかの聖地であり、鎌倉末期の石造文化が絶えずに続いていたからだろうと著者は見る。折から広まった墓石を立てる習俗が、ここを目を見張るほどの大墓地にしたのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)