山根村の銀札紙偽造事件
どんな伝承か
鳥取県の山根と河原は古くから和紙の産地で、その起源は遅くとも一六世紀末までさかのぼることが資料で確かめられている。幕末の嘉永四年、山根村の紙漉き業者のもとに、銀札紙の漉き立てを依頼してきた不審な者がいた。ほど遠からぬ酒津村に逗留していた雲州杵築市場町の梅松という男である。その筋が調べたところ、雲州でのみ通用する銀札、すなわち各藩が発行する銀貨代用の紙幣を偽造するつもりであったことが判明し、梅松は入牢となった。著者は、紙幣か穴あき銭かの違いはあれ通貨の偽造は昔もおりおりあったのだろうと記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・現代)