I 信じがたいような実話
どんな伝承か
尾張藩官医柳田泰治の筆録『仙界真語』による。慶応三年十月九日、門人の沢井才一郎十七歳は、見知らぬ人が夢に現れ、終日火の物を断って水を浴び柳田家の東の土蔵の屋根へ登れと告げたと言った。昼時に屋根へ登ると棟瓦の上に石を重しにした秋葉山大権現の札があり、家中が悦び勇んで祭った。十三日夜、才一郎は亥の下刻から行方知れずとなり、しばらくして注連縄の中程に掛かって現れ、手足は氷のように冷たく息も絶えたようであった。修験の繁昌院が大麻を振って祈ると目を開き、「秋葉様へいって参りました」と言ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・昭和)