油揚げに鼠取を仕込んだ狐退治
どんな伝承か
卵塔場で二人連れが何かを食べているのを新一が透かして見ていると、体を傾けた拍子に姿は消え、跡には魚の骨のようなものが散らばっていた。家に帰った夜、父の新三郎は隣室でお滝が甘えるように笑う声を聞き、襖を開けると縁側に半裸で肘枕をしている。声をかけると口汚く罵り、突きかかってきたかと思うと寝床に伏して、なんの恨みがあって苦しめるのかと泣いた。翌日、新三郎は下谷の御嶽行者に祈祷を頼み、新一は油揚げ三枚に鼠取を仕込んで卵塔場へ置く。その夜お滝は穏やかに眠り、朝、庇の下に狐が一匹死んでいた。尾の付け根には生々しい傷跡があった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の怪談(田中貢太郎・河出文庫・明治~大正時代(編纂・出版は20世紀前半推定))
宝蔵の短刀=怨霊と祟り(日本の怪談)/幽霊の自筆・船頭の霊/義人の姿と因果応報/土佐・各地の怪異/田中貢太郎の怪談