公園の樹間を徘徊する木の精
どんな伝承か
老木には精があって夜間に現れるという説が昔からあるが、その姿については確かな定説がない。木の精は人や獣の幽霊に比べて影も力も淡いと伝えられる。明治四十年ごろ、東京に中野某という霊視のきく人がいて、たびたび夜分に芝公園内で樹木の精を見た。その姿は影のようなもので樹間を徘徊するのだという。ある夜、友人を連れて芝の山内をぶらついていて木の精を見たので指し示したが、友人には見えなかった。やがて友人が、今なにか五体に水を浴びたように感じたと言うので、それこそ木の精が身辺に来て触れたためだと説明したと伝えられる。
原典より
老木には精(魂)があつて、夜間に出現すると云ふ説が昔しからあるが、その形貌に就ては、慥かとした定説がない。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前))