物品の千里寄せ
どんな伝承か
山梨県北巨摩郡穂足村字大蔵新田(現北杜市)の百瀬今朝松は、生前は御嶽教の先達で、しばしば奇蹟を演じて周囲を驚かせていたという。同郡多麻村小字中小倉の丸茂敦の家で、遠方にある物品を一喝のもとに手中へ取り寄せる奇蹟を行い、御嶽山の神に仕える天狗・国明玉命が憑いて演じたものだと語られている。明治四十二年八月二十九日には、木曾御嶽山の頂上で、あらかじめ地元郵便局長の伊藤清民が局印を押して神棚に供えておいた梨を、百瀬が突然神憑り状態となって手の中に出現させ、伊藤自身がそれを確かめて不思議だと驚嘆し、以後熱心な信者になったという。
原典より
山梨縣北巨摩郡穂足村、字大蔵新田の百瀬今朝松と云ふは、今は故人であるが、生前には御嶽敎の先達で、時々奇蹟を演じて見せるので界隈人の驚愕するところであつた。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前))