白晝に飛歩く拔首
どんな伝承か
但馬国城崎郡五荘村大字正法寺で明治の初年にあったことである。夏の午睡どきに村の道路を一つの婦人の首が転がり歩いていた。見つけたのは児童で、大いに騒いで友を呼び集め、めいめい竹や木を手にして叫びながら追い回した。首は路面を転がりながら逃げ、四、五丁離れた高屋村のある農家へ飛び込んだ。子供らが屋内をうかがうと、ちょうど妻女が午睡から目を覚ましたところで、「今恐かった、夢に正法寺村まで遊びに行くと子供たちが竹や棒で打ちに来たが、無事に逃げ戻れてよかった」と独り言を言うのが聞こえた。この女房は轆轤首だと知れたという。
原典より
但馬國城崎郡五莊村大字正法寺にて明治の初年にあつたことである。—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前))