金峰山で黄金の精気を見た望気者
どんな伝承か
九州別府の奥野幸三郎は『山相秘録』を頼りに各地の山を歩き、銀や銅、鉄や鉛の鉱脈を気で言い当ててきたが、金だけは一度も見られずにいた。金山と伝わる大和の金峰山に大正四年七月に入り、三十七日を天幕で過ごしても、前触れの霞光しか得られない。大正六年六月二十七日、小屋を建てて再び籠り、八月六日の真夜中、ついに黄赤色の光が谷を越えて走るのを見た。鏡とも御幣ともつかぬ形で、消えるまでわずか二、三秒。その一瞬だけ木の葉も岩も残らず見えたという。同じ年の四月、京都の敬神家の一団が夢告に導かれて踏んだ地点も、後にこの光の出た場所と分かった。
原典より
九州の別府の奥野幸三郎と云ふが、『山相秘録』に據て多年各地の山地を探檢跋涉して、銀銅鐵鉛などの鑛脈を發見することに従事し、何れもその觀氣に成効したのであるが、唯だ金の精氣には一度も出會はないので、是非一度出會ひたいものと…—— 幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
幽冥界研究資料 第二巻 靈怪談淵(岡田蒼溟・幽冥界研究・怪談・大正〜昭和(戦前))