雨月物語・吉備津の釜と磯良の怨霊
どんな伝承か
上田秋成『雨月物語』巻之三「吉備津の釜」による。吉備国賀夜郡庭瀬の井沢庄太夫の子正太郎は放蕩者で、吉備津神社の神主香央の娘磯良を娶ることになった。婚儀に先立つ鳴釜の神事は凶と出て音を発しなかったが、そのまま嫁入りとなる。正太郎は磯良によく仕えられながら遊女袖になじみ、磯良を欺いて金を奪い袖と京へ逃げた。裏切られた磯良は病に臥して死に、怨霊となって袖を取り殺す。播磨へ逃れた正太郎は物忌みの果ての最後の夜に消え失せ、軒下には髻だけが残っていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪談の世界(山田野理夫・昭和中期(1977年頃))
ザシキワラシ(座敷童子)と福の神(怪談の世界)/遠野・東北の怪異伝承/家運の盛衰と怪音/妖怪と幽霊譚/山田野理夫の怪談採集